取扱注意!ポーカーのスロープレイとは?
目次
スロープレイとは?
スロープレイは自分がナッツ級に強いハンドの場合にもチェックやコールを多用する戦略です。
スロープレイの目的は、自分がナッツ級に強いハンドを持っている時にチェックやコールを混ぜ、結果的により多くのチップを相手から引き出すことです。
スロープレイをするシチュエーション
スロープレイは適切に行わなければ利益を少なくしてしまうため、自分と相手の状況を的確に把握して行うことが非常に重要です。ポーカーの大原則として「強いハンドでベットし、弱いハンドで降りる」という概念があるため、そもそもスロープレイは「例外的な」戦略であるということを念頭に置きましょう。
上記を踏まえ、どのような状況でスロープレイが利益的になるのか解説します。
スロープレイを行う上では、「あなたがナッツ級に強いハンドを持っている」ことが前提となります。※トップヒットなど(マージナルな中でも強いハンド)でチェックをすることもありますが、これは別の概念であるため本章では割愛します。
この前提の上で以下の3点を目的としたスロープレイは利益的になります。
- 相手にブラフベットレンジが多く存在するとき、パッシブなプレーをすることで相手のブラフベットの誘発
- 相手がドローを完成させた場合、ハンドを発展させた場合のミスバリューの誘発
- ナッツ級のハンドを頻度で自分のコールレンジに混ぜ、コールレンジを強くすることで、相手のベットレンジを狭くする
ただ、上記の内容は上級編で述べる概念を多く 含んでいるため、実践では以下の状況を考えましょう。
- 相手がドローを引く可能性があり、引かれたうえでも自分のハンドが勝っている
- 相手が自分のハンドレンジを弱いと思い、後のベッティングラウンドでコールをもらえそうなとき
- 相手が自分のハンドレンジを弱いと思い、後のベッティングラウンドで相手がブラフベットをしてくれそうなとき
次節でスロープレイが利益的になる具体的なシチュエーションについて解説していきます。
スロープレイをするシチュエーションの具体例
プリフロップ
あなたは、BTNとします。プリフロップは、相手(CO)がレイズ600で参加して、あなたはコールしました。
フロップ
フロップは♦8♠4♥2が落ちたとします。
あなたは8のトップセットになり、相手はベット500を打ってきました。
この場合、あなたは、レイズして賭け金を大きくしても良いのですが、このボードの場合、ターン・リバーのカードで相手から逆転される可能性が少ないこと、COのベット500はブラフベットの可能性もあることから、あなたは強いハンドをコール止めしました。
ここで考えるのは、あなたのハンドは現状一番強いので、ターンとリバーのカードは、相手に有利なカードが落ちてほしいことと相手からベットが来ることを願います。
ターン
ターンは、♠2でした。
あなたはフルハウスになり、現状22のクワッズにしか負けていません。相手は引き続きベット1500を打ってきました。
ここでも、あなたはレイズしてもいいのですが、相手がフロップ、ターンと引き続きベットしてくるところ、リバーのカードで逆転される可能性も低いのでターンもコールを選択しました。
リバー
リバーは、❤Aで相手からオールインが来て、あなたはコールしました。
ショーダウン
相手は、♠A♠Kで、リバーでAがヒットしていました。あなたは、フルハウスで相手から全てのチップを奪うことに成功しました。
スロープレイをするべきではないシチュエーション
スロープレイをするべきではないシチュエーション
もしあなたが現状ナッツ級に強いハンドを持っていたとしても、ターン、リバーのカードで逆転される可能性が高い場合にはスロープレイをしてはいけません。
スロープレイをするべきでないシチュエーションの具体例
プリフロップ
あなたはBTNとします。プリフロップは、相手(CO)のレイズ600にあなたはコールしました。
フロップ
フロップは ♣K ❤J ♣7 であなたは7のセットになり現状ナッツ級に強いです。ここで、相手からベット800がきました。
ここで相手を降ろしたくないと考え、スロープレイをすることに決めてレイズを行わずコールしました。
ターン
ターンは♦2で相手からさらにベット2000がきました。ここでも、あなたはスロープレイをしてしまい、コールしました。
リバー
リバーは♣3で3枚目の♣がでました。相手からのベット5000にあなたはコールしました。
ショーダウン
ショーダウンでは、相手のハンドは♣6♣5で、リバーでフラッシュが完成していました。あなたは負けており、ポットを失ってしまいました。 このスロープレイは危険です。
フロップでは、
- 2枚の♣が落ちており、相手のハンドが♣♣ならフラッシュドローがついている。
- QTのオープンエンド、AQ,Q9,T9,T8,98などのガットショットもある。
- ナッツ級のハンドを頻度で自分のコールレンジに混ぜ、コールレンジを強くすることで、相手のベットレンジを狭くする
相手にドローが多く、ターン、リバーで逆転される可能性もあるので、簡単に次のカードを見せてはいけません。
現状ナッツ級に強くても、逆転されてしまうリスクがあるときはスロープレイを行わずに素直に相手のベットに対してレイズを返しましょう。
まとめ
本章ではスロープレイについて解説しました。
ポーカーの大原則として「強い時はベット」という概念があるため、スロープレイは「例外的」な戦略であるということを覚えておきましょう。
スロープレイはうまく使うことで利益を最大化できる一方で、使い方次第では利益を極端に少なくしてしまうので、本章をよく読んで適切に使いましょう。