GTOは意味がない!?GTOのよくある誤解と本当の意味を徹底解説!!
ポーカーの世界でよく聞かれる「GTO」という言葉。しかし、本当の意味を理解している人は少ないのではないでしょうか。また、「GTOは実際のプレイには意味がない」という声もありますが、実際のところはどうなのかと疑問を持っている人も少なくないでしょう。 今回は、そんなGTOについて詳しく掘り下げていきます。
GTOを学ぶ意味はあるのか?
GTOとは?
GTO(Game Theory Optimal)とは、ゲーム理論に基づいた最適な戦略のことを指します。
ポーカーは、相手の弱点を突く(エクスプロイトする)ことで、損失を最小にし、利益を最大化するゲームです。
プレイヤー同士はお互いにプレイの傾向を掴み、対策(エクスプロイト)を繰り返します。これを無数に繰り返していくと、これ以上エクスプロイトすることができない均衡点に落ち着きます。この状態がゲーム理論上最適な状態とされており、これに基づいた戦略をGTO戦略と呼びます。
GTOは意味ない?
GTOが意味ないと言われる代表的な理由は以下が挙げられます。
- 相手がGTO戦略通りではない
- GTO戦略を覚えることができない
- 結局エクスプロイト戦略が重要
これらはGTOを学ぶ意味がない理由として一見正しそうですが、本当にそうなのか掘り下げていきましょう。
GTOを学ぶ意味
GTOは実際にポーカーの腕を上達させる上で、どのような意味を持つのでしょうか。
それは「基準」を知るということになります。
GTOとはゲーム理論上最もバランスの取れた戦略であり、じゃんけんで言うならグーチョキパーを33%の頻度で出すようなものです。
ポーカーにおいて最もバランスの取れた戦略を知る、ということは逆に相手がどの部分でバランスを取れていないのか、どういった傾向があるプレイヤーなのかを推し量る「基準」を自分の中で持てるということになります。
そのため「基準」があれば、エクスプロイト戦略に対して理論的なアプローチができます。
GTOを学ぶことで、相手にどういった傾向があるのかを「基準」から客観的に観察することができ、感覚に頼らない安定した判断ができます。
当然、実戦では誰も完全にGTOを再現することはできませんが、GTOに対する理解を深めることで、この「基準」の精度を高めることができます。
一方で「基準」がなければ、自分の感覚頼りの不安定なプレイになってしまい長期的に勝率を安定させることはできません。
実践におけるGTO
再現の難しさ
GTO戦略通りのプレイをすることは時として非常に重要ですが、現実のポーカーのゲームでGTOを完璧に再現することはほぼ不可能です。
なぜなら、GTOは無数の異なるシチュエーションを考慮に入れ、それぞれに対する最適なプレイラインを提供しますが、これには膨大な計算を要し、人間がこれら全てのシナリオを記憶し、リアルタイムでそれらを適用することは非現実的です。
GTOについて知るということは、ただGTOに基づいた戦略の再現性を高めるということではなく、再現できるほどの理論をあなたが持ち、その瞬間において適切なアクションを決定する判断材料にすることができるということです。
F*** GTO
有名な動画でCharlie Carrelの 「F*** GTO」というものがあります。 彼の主張は、「GTOに拘りすぎるな」というもので、実際にポーカーをプレイしているのは、人と人であり、コンピュータとの戦いではない、と述べています。
テーブルの雰囲気、相手の心理状態、相手は自分に対してどう思っているのか、相手はそもそもバランスを取るに足る相手なのか、こういった部分を総合的に観察して意思決定をする必要があり、ここの観察力を磨くことこそがポーカーの醍醐味であると述べています。
多くの人がここで勘違いしてしまうのは彼がGTOを学ぶ必要がないと言っているのだと思ってしまうことです。 彼の主張は、ポーカーというゲームの中でGTOはほんの一部であり、盲目的にそこばかりに注目してしまうのは良くないということです。
しかし、彼自身もハイステークスではバランスを取ったOptimizeされた戦略を取ると言っており、GTOの重要性を強調しています。
まとめ
GTOは本当に大切なのか、学ぶことに本当に意味があるのか、この疑問に対する答えはここまで読んでいただければ自明かと思います。
ポーカーという大きな枠組みの中でGTOがどういった意味合いを持つのか、という問いに対する答えが一部の間で誤った解釈をされ、GTO自体について誤った認識をされています。
GTOについて学ぶことは非常に長い道のりであり、時には退屈に感じるかもしれません。しかし、それこそがポーカーの腕を上達させる最も早い近道になります。